車のコーティングは、愛車を保護し美しさを長く維持するために非常に重要です。
しかし、一概にコーティングと言っても様々な種類が存在し、それぞれ特徴や性能、価格帯が異なるため、どれを選ぶべきか悩む方も多いことでしょう。
この記事では、どのコーティングにしたらいいのかわからない人のために、車のコーティングの種類とそれぞれの特徴や自分にあったコーティングの選び方についてコーティング歴20年以上の経歴、経験をもとに詳しく解説します。
実際、コーティングを選び間違えてしまったことで「思ったよりも持続性が悪かった」といった声や「あまり綺麗にならなかった」といった失敗談を聞くこともあります。
施工依頼が失敗しないように愛車を輝かせ、ベストコンディションを保つために最適なコーティングを選ぶ参考にしていただければ幸いです。
車のコーティングの5種類
車のコーティングは大きく分類して5種類が存在します。
適切なコーティングを選ぶ際には、車の用途や駐車環境や洗車頻度、車のカラーなどの環境条件、予算を考慮することが重要です。DIYでの施工も可能ですが、プロの手による施工は経験と専門知識に基づく高品質な仕上がりを実現します。
適切なコーティングを選んで車を保護し美しさを長く維持できるよう、それぞれのコーティングについて詳しくご紹介します。
油脂系コーティング
車の油脂系コーティングは、いわゆるワックスのことです。
油脂系コーティングは、油が水を弾く性質、油分による艶で、塗装表面を美しく見えると感じる効果があります。「固形ワックス」「半練りワックス」「スプレーワックス」の3種類があり、車のボディカラーに応じて淡色・濃色専用のいずれかを選ぶことができます。
油脂系コーティングのメリットはガラス・フッ素系に比べて価格が安価なことで、取り扱いも簡単な上に、洗車のついでに気軽に施工が可能なことです。これらの特徴から、油脂系コーティングは過去に多くの車好きの方に支持されていました。
また、油脂系コーティングは施工が比較的容易であり、技術や専門知識を持つプロの手によって施工されることもありますが、車のオーナー自身がDIY施工することも可能です。
使うワックスによっては時間と体力が必要とされることがあるものの、総じて手軽に施工できます。一方、ワックスは熱に弱く汚れが付着しやすいというデメリットがあり、効果の持続性も2週間程度と短いことが注意するべき点です。
樹脂系コーティング
(ポリマーとは分子と分子の重合体で単体で「ポリマー加工」という名称は間違いでポリマーの前に名詞は必要です。)
樹脂系コーティングの原料はフッ素、テフロンなど化学的に合成されたポリマー材料から作られており、ワックスよりも高い耐久性を誇ります。
樹脂系コーティングは施工時間が短く済み、分子結合する化学反応によって塗装面に皮膜が作られるため、水滴や汚れに対する抵抗力も高いとされています。
持続性は一般的に3〜6ヶ月と短い上、熱や紫外線に弱い特徴から天候により持続可能な期間が左右されることがあります。劣化が進んでしまうと汚れがつきやすくなること、スタンドの洗車機や荒い洗車などで著しく効果が薄れるので注意が必要です。
樹脂系コーティングも油脂系コーティングと同様にプロによる施工と、車のオーナー自身によるDIYによる施工の両方が可能ですが、ある程度の道具と技術を必要とするため素人には難しく、正確な施工方法とメンテナンスが求められます。
ガラス系コーティング
ガラス系コーティングは、名前の通り原料にガラス成分(ガラス繊維)を含めることで、透明で硬い保護膜を車の表面に形成し一定の耐久性を持っています。
また、ガラス系コーティングは魅力的な深みのある光沢を提供し、車をより鮮やかに輝かせることが可能です。他の成分を混ぜ合わせる事で水を弾かせる性質を持たせる事も可能で雨や洗車後に水滴や汚れがつきづらく、お手入れの手間を軽減します。
油脂系や樹脂系のコーティングよりも効果の持続性が高い傾向にあり、効果は半年から3年程度を期待できることもあります。
また、施工ムラができた場合の対処が難しかったり失敗のリスクや再施工で研磨の必要性などから、ガラス系コーティングは車のオーナー自身で施工することは難しく専門的なプロによる施工が必要とされることが一般的です。
ガラスコーティング(硬化型ガラス)
ガラスコーティングは、塗装の表面に硬化した高密度のガラス(二酸化ケイ素)の皮膜を作り、深みのある光沢をもたらしボディを保護するコーティングです。
先に述べたガラス系コーティングは、手軽に試せる一方で、耐久性はガラスコーティングに比べてやや劣ることがあります。その点、ガラスコーティングは汚れが落ちやすく、高い強度で車を守ることができる一方、水道水に含まれるカルシウムや融雪剤との親和性が高いためにシミが付着する事もあります。
また、ほとんどの場合、ガラスコーティングは専門知識を要するためプロによる施工が一般的ですが依頼料が数万〜数十万円の相場で費用がかかることがあります。しかし、このように費用はかかりますが、2-5年ほどの持続性で光沢の維持、塗装面の保護等の様々なダメージから車を守ることができるので、費用に見合った価値があるということができるでしょう。
ガラスコーティングは高い耐久性と美しい光沢をもたらしますが、プロの手による施工が必要であることが一般的です。
セラミックコーティング
セラミックコーティングとは、上記でご紹介した従来のガラスコーティングよりもさらに高い持続性、皮膜の厚み、耐久性、耐紫外線性能や優れた耐スクラッチ性があり、現在販売されている中で最も効果効能が高いとされているコーティング方法です。
近年では最高硬度のセラミック皮膜で、外部からのダメージや劣化から車を強力に保護することに加えて、超撥水、UVカットで色褪せを防ぎ、3-5年以上の長期間にわたって深みと艶を与えることが可能です。
そのほかの特徴として、セラミックはナノセラミックスの金属や酸素、窒素、炭素などから作られる化合物のため自然劣化がなく、紫外線、雨、酸性雨、汚れから車を効果的に防ぎ、外部要因に対する高い耐性を提供します、さらに、施工後はしゃんー洗車のみでお手入れが楽なこともメリットです。
セラミックコーティングは、その耐久性、保護力により、車愛好家や外観にこだわるオーナーにとって理想的な選択肢といえます。しかし、適切な施工を行うためには、技術と経験値があるプロの手による施工を検討することがおすすめです。
セラミックコーティングに興味を持っていただいた方は、以下の記事をご覧ください。
>>セラミックコーティングの費用、効果、ガラスコーティングとの違いを徹底解説
コーティングによる水の弾き方
車のコーティングには大きく分けて
・撥水(はっすい)コーティング
・滑水(かっすい)コーティング
・疎水(そすい)コーティング
・親水(しんすい)コーティング
の4つの異なる水弾き効果があります。
まず撥水コーティングとは、水滴を玉状にして表面から素早く弾き飛ばす性質です。これにより、雨水や洗車後に水滴が滑り落ちるため水分の拭き取りが楽になり、車体をきれいに保ちます。一方、水滴が塗装面に残ると乾いた時にシミになりやすいこともあります。
親水コーティングは塗装面に対して水分が馴染みやすくなるため、水分が玉状になりづらい特徴があります。そのためシミが生成しづらく、雨天時に汚れが流れ落ちやすくなるため洗車の回数が減ったりメリットがあります。しかし、一方では水を弾かないためにコーティングへの不安が残る人もいるようです。
疎水コーティングは撥水と親水の中間のような機能を持ちます。撥水と比べてシミができづらく親水よりも水洗いの汚れ落ちが良いメリットの一方、撥水のように水分がはっきりとし玉状にはならないデメリットもあります。
最後に、滑水コーティングも疎水コーティングと同様に撥水と親水の中間の機能を持ちます。疎水コーティングと同じく、撥水と比べてシミができづらく親水よりも水洗いの汚れ落ちが良い反面、撥水のような水分がはっきりとした玉状にはなりません。
これらの効果はコーティングの種類によって異なります。どれも車の外観を美しく保ち、汚れを防ぐのに役立つ効果があるので、車体のニーズと環境条件に応じてどのコーティングが適切かを検討することが重要です。
撥水コーティングの特長とおすすめな人
撥水コーティングは昔から根強い人気があり、水玉のように水滴がコロコロと転がるように弾かれる仕上がりになることが特徴です。また、水切れがよく洗車時の水気も拭き取りやすくなることがメリットです。
おすすめなのは、イオンデポジットが目立ちづらい淡色車や屋内管理をしている方、定期的にメンテナンスが可能な方です。
一方、撥水性能が高いものほど水滴がボディ表面に残りやすく、その際イオンデポジット(ウロコ)の発生になることがあります。これらの特徴から、傾斜が少ない車や風の影響を受けない駐車場の場合には、あまり適していません。
親水コーティングの特長とおすすめな人
親水コーティングは、ウォータースポットなどが気になる方に適した方法です。水との親和性が高いので、水が汚れとの間に入り込み、付着した汚れが簡単に水で流れ落ちるという特徴があります。
特に屋外駐車、洗車の頻度が少ない車に向いているほか、特に黒をはじめとする濃紺系のボディカラーの車はシミや汚れが目立ちやすいため親水性のコーティングが向いているといえます。
滑水・疎水コーティングの特長とおすすめな人
滑水・疎水コーティングは、親水と撥水両方のよさを兼ね備えた効果があり、車のコーティング好きの方からも高い支持を得ています。
疎水コーティングは「水を嫌う、水をはじく性質」を使って車についた水滴が塗装面から流れやすくするように皮膜を作るコーティング方法です。
洗車時に汚れが落ちやすく、雨天時には水を弾き、水滴を集めてまるで滝のように汚れを流し落とすことができます。
水の流れがいいことでボディに水が溜まりづらいため、ウォータースポットの付着を防げることも特長です。
高級感のある艶を出したい!とお考えの方には、光沢にも優れた滑水・疎水コーティングであれば見栄えを良く保つことができるのでおすすめです。
自分にあったコーティングの選び方
これまでご紹介したように、車にはコーティング方法が様々あり、どれを選べば良いかわからないとお悩みの方も少なくありません。
また、愛車を美しく保つためにコーティングをしたのはいいものの、「コーティングをしたんだけど、綺麗になったような気もするし、変わっていない気もする・・・」といった声や「コーティング後、年数が経ってもう効果がなくなったのかな?」と不安に思われる方が多く散見されます。
コーティング選びで後悔しないためには、プロの施工業者へ相談することをおすすめいたします。
専門店でのコーティングは、経験と技術を備えたベテランの技術者が施工します。やはり、コーティング施工時の磨き作業などの仕上がりは、DIYに比べると効果性能や持続性が圧倒的に高いため安心です。
ご紹介したようなコーティングに関する基本知識をふまえて、施工業者に依頼時に求める効果や性能を的確に伝えられると、納得のいく施工結果を受けることができるでしょう。
まとめ
今回の記事では車のコーティングの種類、それぞれのコーティングにおける水の弾き方、それぞれの水弾きの特長とその効果が適する人、そして自分に合ったコーティングを選ぶ方法について解説しました。
総括すると、車のコーティングには異なる種類の方法があり、コーティングの種類によって異なる水弾き効果が存在します。
樹脂系コーティングはワックス以上の艶により光沢を持たせ、比較的手軽に施工できます。ガラスコーティングはプロに頼むことで下地作りからコーティングの塗布まで行い、長期間汚れを防ぎ、光沢とツヤがある仕上がりを維持することが可能です。
セラミックコーティングは、高硬度により耐久性に優れ、汚れから車を保護します。
どのコーティングが適切かを選択する際には、車ごとの個別のニーズや環境などメンテナンス条件に合わせて検討することが必要です。
経験と技術力を誇るプロに施工を依頼することで、コーティングの性能を長続きさせ、自身の愛車を良い状態で保つことができるでしょう。
この記事を参考に快適なカーライフを実現できましたら幸いです。
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